人の体には「二つのエンジン」がある
人の体には、エネルギーを生み出す仕組みが二つあります。 それが糖質エンジンとケトン体エンジンです。 どちらも大事ですが、使い方を間違えると、脂肪肝やメタボにつながります。
糖質エンジン:早く動くけれど、切れやすい燃料
ご飯・パン・麺・甘いお菓子などに含まれる糖質を燃やして動く仕組みが「糖質エンジン」です。 すぐに力になりますが、長くは持ちません。
糖質エンジンばかり使うと、次のような状態が起きやすくなります。
- 食後に強い眠気が出る
- 血糖値が上がったり下がったりしやすい
- 余った糖が脂肪になり、内臓脂肪としてたまる
ケトン体エンジン:脂肪を燃やして動く、もう一つの仕組み
一方で、体脂肪を燃やしてエネルギーを生み出す仕組みが「ケトン体エンジン」です。 糖質が少ないときや、空腹時間が少し長く続いたときに働きます。
ケトン体エンジンには次のような特徴があります。
- 内臓脂肪や肝臓まわりの脂肪を燃料にする
- エネルギーが長く続き、疲れにくくなる
- 血糖値が安定しやすく、眠気やだるさが減る
人類の歴史から見ると、ケトン体は「標準モード」
人類の長い歴史のほとんどは、いつでもお腹いっぱい食べられる時代ではありませんでした。 食べられるときもあれば、何もない日もある。 そんな環境の中で、人は体脂肪を燃やして生き延びてきたと考えられています。
つまり本来の体は、糖質エンジンだけでなく、ケトン体エンジンも使うように設計されています。 ところが現代は、糖質がいつでも手に入るため、糖質エンジンばかりが働き、ケトン体は眠ったままです。 その結果、内臓脂肪や脂肪肝が増えやすくなっています。
ケトン体と「細胞の入れ替え」の関係
ケトン体の状態になると、単に脂肪を燃やすだけではありません。 体の中ではいらなくなった古い細胞や、傷んだタンパク質を分解して再利用する仕組みも働きやすくなると言われています。
これを専門的には「オートファジー(自食作用)」と呼びます。 かんたんに言うと、 古い部品を分解して、新しい部品を作り直すリサイクル工場 のようなイメージです。
この流れがうまく回ると、次のようなメリットが期待できます。
- 古くなった細胞が減り、細胞の入れ替わりがスムーズになる
- 体の中の「ゴミ」のようなタンパク質が処理されやすくなる
- 結果として、体のだるさや重さが軽くなりやすい
ケトン体と肌・見た目の若さ
ケトン体そのものが「シワが消える」「絶対に若返る」と言い切ることはできません。 しかし、古い細胞や傷んだタンパク質を整理して、新しいものに入れ替えていく流れは、 肌や見た目の印象とも深く関係しています。
例えば、
- 血流が良くなり、顔色が明るくなる
- むくみが減り、輪郭がスッキリして見える
- 内臓の負担が減り、疲れ顔が減ってくる
など、「健康そうに見える」変化が少しずつ現れます。 これは、体の中の細胞が入れ替わっていく流れとつながっています。
エネルギーだけでなく「掃除と更新」をしてくれる
糖質エンジンは、ガソリン車のように一気に動いて、一気に疲れるエンジンです。 一方でケトン体エンジンは、ゆっくりですが長く続く静かなエンジンです。
そしてケトン体の状態では、単に燃料を作るだけでなく、 体の中の古い細胞を少しずつ片付けていく仕組みが働きます。 だからこそ、 「元気が戻ってきた」 「体が軽くなった」 「冷えが減ってきた」 と感じる人が多いのです。
いきなり極端はNG。少しずつケトン体モードへ
ただし、いきなり極端な糖質ゼロや長時間の断食をすると、体に負担がかかります。 持病がある場合や薬を飲んでいる場合は、必ず医師と相談が必要です。
まずは、
- 炭水化物を「いつもの半分」にしてみる
- 夜遅い時間のダラダラ食いをやめてみる
- 良質な脂質とたんぱく質をしっかり摂る
といった、無理のないところから始めるのがおすすめです。 少しずつ糖質エンジンの比率を下げ、ケトン体エンジンを目覚めさせていくイメージです。
二つのエンジンを上手に使って生きていく
これからの時代は、どちらか一つのエンジンだけで生きるのではなく、 糖質エンジンとケトン体エンジンを使い分けることが大切です。
日中の活動には少し糖質も使う。 一方で、空腹時間や睡眠中にはケトン体に働いてもらう。 そうやって、体の中の脂肪と細胞の「掃除と更新」を進めていく。
このカテゴリーでは、二つのエンジンの違いと、ケトン体を味方につける具体的な工夫を、 実体験を交えながら少しずつ紹介していきます。

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